こんにちは!おせちの達人「おせちや」を運営する株式会社オージーフーズのおせち担当・松見です。
先日、当店のおせちに欠かせない「烏鶏庵 伊達巻」を製造してくださっている静岡県焼津市の「株式会社丸う田代」様にお伺いしました。その訪問の様子を詳しくレポートいたします。
目次
写真も動画も撮影して、インタビューにもご協力いただきました。
産地の様子や、熟練の職人さんたちのこだわりなどなど、この記事を読んでくださった皆様にお伝えできれば幸いです。
おせちや産地訪問動画【静岡県烏鶏庵伊達巻】2018
動画で産地訪問の様子をご覧くださいませ!
大きな石臼で材料を混ぜている所迫力ありますね。伝統を受け継ぎ実直に製品を作り続ける工場長のお話もたくさんお聞きしました。
「烏鶏庵 伊達巻」のおいしさの秘密がここにあったのか!とたくさんの発見ばかりです。
この動画をご覧いただくと、年末の伊達巻のおいしさが倍増しますよ(笑)
名店×名店がタッグを組んだ最強の伊達巻
「烏鶏庵 伊達巻」は、高級食材烏骨鶏卵を全体の卵のうち60%も使っています。この烏骨鶏卵を提供していただいているのは、石川県で烏骨鶏を育て数多く製品扱っていらっしゃる「烏鶏庵」様です。
そして、烏鶏庵様のご指名で伊達巻き製造をお願いしているのが、今回伺った株式会社丸う田代様の静岡工場です。
「丸う田代」様は、かまぼこの街、小田原蒲鉾の名店として140年以上の歴史を持つ有名店。
そして石川県にある直営農場で飼育した希少な烏骨鶏卵を取り扱っている”烏鶏庵”様。どちらも物づくりの本物のプロ同士が烏骨鶏の卵のおいしさを最大限に活かすため、試行錯誤の上に出来上がった最強の伊達巻です。
そんな伊達巻を金のおせちの一品として入れることができる事、とても誇らしく思います。
ちなみに、「どうしておせち料理に伊達巻が入るの?」と、伊達巻に込められた意味や由来を知りたい方はこちらのブログ記事も読んでみてくださいね。
スタッフが実際に作ってみた「伊達巻の作り方」も必見です♩
やってきました!静岡県焼津市
丸う田代様の静岡工場は静岡県中部に位置し、海に面していることで漁港を中心に発展してきた地域です。
私たちは東京からこだまに乗り静岡駅へ。在来線で藤枝まで向かい金沢から来ていただいた烏鶏庵の方々と合流しました。
藤枝駅で丸う田代の田代専務が出迎えて下さいました。田代専務のお車で向かいます。30分程で海が見えてきました。
工場地帯におおきく「う」の看板の文字。一目見て分かりました。ここが株式会社丸う田代様の静岡工場です!
烏鶏庵様と丸う田代様にお伺いした、伊達巻の原料事情について
社屋に入らせていただくと田代工場長と担当の杉村さんが笑顔で迎えて下さいました。
さっそく田代専務、烏鶏庵の平野さんとともに現在の原料事情についてお話を伺いました。
田代工場長:「烏鶏庵さんの卵を使うと味はもちろん違いますが、濃い黄色が出るのが特徴です。やっぱり烏骨鶏の卵は違いますね。」
店主高橋:「どうやってこちらに原料入れているんですか?」
烏鶏庵平野さん:「全て卵液にして入れています。烏骨鶏は3~4日に1個しか生みません。年を取ってくると10日に1個しか生みません。今は烏骨鶏の飼育を改善することで、安定的に生産できるようになりました。ここまでに30年ほどかかりました。」
店主高橋:「そうですか。3~4日に1個!本当に貴重な卵ですね。魚の状況はどうですか?」
田代工場長:「漁獲量は段々と減ってきています。世界中でグチの需要があるので原料の取り合いで価格も上昇しています。ダブルパンチですよ。」
店主高橋:「卵もすり身に関してご苦労されていますね。本当に原料に関してはいい話聞きませんね。その中でも今年も製造していただいて本当にありがとうございます。」
いよいよ製造現場を見学!「烏鶏庵 伊達巻」の製造の秘密とこだわり
大きな石臼で原料混合
田代工場長にご案内頂いて工程順に見せて頂きました。まずは原料混合の石臼での作業です。魚肉を石臼に入れるところから始まります。ある程度弾力のある固さに仕上げることがポイントだそう。
田代工場長:「ある程度弾力がないと伊達巻が締まっていきませんからね。」
石臼の上にはミキサーが回っており、みるみるうちに魚肉が滑らかになっていきました。
田代工場長:「まだ魚肉は固いです。上手くやらないと分離してしまいます。腹の方の肉は内臓で黒いですよね。黒いところ入れると色が悪くなりますのでうちでは使いません。ダブルA魚のランクの質の良いグチの魚肉のみ使っています。」
そこから少しずつ分離しないように卵液を流し込みます。
田代工場長:「入れ方が違うだけでも味に変わりが出てきます。分離してしまうのでタイミングを見極めて少しずつ入れていきます。これも職人技ですね。」
この卵液を混ぜる工程は、一見簡単に見えてしまうかもしれませんがとっても難しいのですね!入れ方で味が左右されてしまうなんて、とても繊細な味を大切にしてくださっていることが伝わってきます。
質の高い魚肉と卵液が混ざる具合を職人さんがしっかりと見極めていらっしゃいました。
みるみるうちに白い魚肉が渦巻いて淡い黄色に変わっていきます。
ここに、2種類の卵液が置いてありました。滑らかで白身と黄身がきれいに混ざっているのが烏骨鶏卵。
卵全体のうち60%で烏骨鶏卵を配合していますが、烏骨鶏卵以外の国産の卵との違いは歴然。烏骨鶏卵のきめの細かさ、滑らかさ比べてみてその違いにびっくりしました。
この石臼で伊達巻240本
卵液を注ぎ続け滑らかな生地が出来上がっていきます。ここで調味し、出来上がった生地を裏ごしして混合の工程は終了。
この生地を冷蔵庫で12時間以上寝かせて卵の旨みを凝縮し落ち着かせてから、焼きの工程に入ります。
田代工場長:「この石臼一つで240本しか伊達巻できないんですよ。」
こちらの工場では、年間60万本の伊達巻きを製造しているそうです!!
年間トータル2500回もこの作業を繰り返しているなんてすごい。私は1回見ただけで目が回りそうでした…。
焼きに40分、巻きに20分
隣のラインに”移り焼き”の工程を見せて頂きます。先ほど作った生地が自動充填機で銅板の焼き型に流し込まれていきます。
そのまま型は流されてオートメーションの焼成機で焼き上げられます。遠火の強火で上下から時間をかけて火を入れていきます。
少しずつ進んで焼き上げられているのが小窓から見せていただきました。この焼成のラインはじっくり時間をかけて40分焼くそうです。トロトロだった生地がふっくらふんわり膨らんで茶色焦げ色を身にまとい出てきます。
贅沢なことに、この焼きたてホカホカの伊達巻きを食べさせていただきました。いつも食べているしっとり感はなくふんわりとしていて魚の味が強く出ていたように感じました。
ごちそうさまです!
焼きのラインが終わると隣の巻きのラインの巻簾の上に生地を置いていきます。巻簾を少しずつ巻き込みながらゆっくりゆっくり20分かけておなじみの形に形成されていきます。
最後に出てきた伊達巻を1本1本チェック。ここで担当者が焼き色、割れているものをチェックして、巻が甘いものはまた手作業で巻いて形を整えていきます。これで伊達巻は出来上がりです。
工場長からのメッセージ
工場長に製造のこだわりとお客様へのメッセージを伺いました。
田代工場長:「弊社のこだわりは、とにかく正直に作っています。なによりも一生懸命にまちがいのない本物だけを作っています。これだけは自信を持って言えます。素材の味をきちんと生かして製法も手間暇かけて製造していますので安心してお召し上がりいただけます。」
原料も工程もシンプルながら、この味わいを出すためにいい素材を仕入れ真面目に製造しているという工場長。工場長の実直な職人の心が味に表れているのだなと感じました。
6. 素材のこだわりと職人の腕と思いが光る「烏鶏庵 伊達巻」
「金のおせち、昨年食べさせていただきました。僕ね、ごまかして作っているものなどは食べられないです、本当に。でも”金のおせち”は美味しかった。特に蒲鉾の新川。あれは美味しかった。」と田代工場長。
私は耳を疑いました。ライバル社に当たる他社の蒲鉾を褒めて下さる工場長。自社の商品に本当に自信があるからこそ他社も認められる。
強い思いで製造に当たられている田代工場長の姿勢に感銘を受けました。この思いがお客様に伝わって、この「烏鶏庵 伊達巻」の根強いファンを作っているのだと工場長の言葉で実感しました。
烏鶏庵のみなさま、株式会社丸う田代のみなさま本日はありがとうございました!
もう年末まで伊達巻待ちきれない!!私も早く食べたくなりました。
烏骨鶏の卵を使用して作った「烏鶏庵 伊達巻」を、ぜひ”金のおせち”でお召し上がりください。
上記HPより「金のおせち」の購入が可能です!11月31日までに予約していただくと、なんと定価の20%オフでお求めいただけます!
全国各地のメーカー様から厳選・お取り寄せして完成した、こだわり盛りだくさんの弊社自慢のおせちをぜひ食べてみてください!

松見

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