おせち料理は、日本全国の地方によって中身が違うことをご存知でしょうか。毎年おせちの定番だと思っていた食材が、その地方独特の食材ということも…!
おせち専門店の担当者として47都道府県のおせち料理の特長を徹底的に調べてまとめました!
こちらの目次一覧の中から気になる箇所をクリックするとそこから読めます!
目次
おせち料理は一年の始まりをお祝いする特別なお料理です。
ちょっとしたマナーとしても、地域による違いを知っておきましょう!また、おせちを囲む食卓の話題の雑学ネタとしてもこのブログ記事をお役立ていただけたら幸いです♩
地域によっては更に細分化された違いもあるらしく、明確な線引きは難しいようです。そのため、今回は基本的な「定番ネタ」と言える部分を簡単にわかりやすく解説いたしますね。
北海道、東北地方のおせち料理の特長
北海道・東北地方では、やはり海に面しているため、海の幸を贅沢に使用したおせち料理が基本となっています。年の始まりに地元の新鮮で美味しい海の幸を食べれば、良い一年が過ごせそうですよね♩
北海道
北海道では鮭の鼻先の軟骨である「氷頭なます」や、なるとによく似た「つと巻き」などが入っている地域が多いそうです。
また、栗の甘露煮入りの「茶碗蒸し」も一緒に食べるみたいですよ。
青森県
青森県では、おせち料理と一緒に「いちご煮」という料理がおめでたい食卓でよく食べられるものだそうです。
この「いちご煮」とは、ウニとアワビのすまし汁のことを言います。決して、果物のイチゴが入っているわけではないので要注意です!
岩手県
岩手県では、「紅葉漬」という鮭の身とはらこを醤油漬けしたものが、お正月に食べる料理として欠かせないと言われています。
秋田県
秋田県では、「ハタハタ寿司」といい、「ハタハタ」という魚を野菜などと一緒に酢や塩に漬け込み、発酵させて作る”お寿司”が入っています。
宮城県
宮城県では「カレイの煮つけ」がおせちに入っていますが、「カレイ」は三陸海岸でお正月に欠かせないお魚と言われています。
山形県
山形県では、「鯉(こい)のうま煮」は鯉をぶつ切りにして甘じょっぱく煮詰めた山形の郷土料理をお正月に食べているそうです。
福島県
福島県では、「いかにんじん」という、にんじんとスルメイカを細切りにして、醤油、日本酒、みりんなどで味付けした郷土料理が入っています。
関東地方のおせち料理の特長
関東地方では、おせちの料理の味付けとして、濃口醤油と砂糖など、全体的に”甘め”なものが好まれているそうです。
茨城県
茨城県では、「鮒(ふな)の甘露煮」がお頭つきの魚であるため、縁起が良いとされお正月に食べられています。砂糖や醤油などで頭から尾までじっくり煮込んで食べる茨城県の伝統料理です。
栃木県
栃木県では、なんとおせちに「水羊羹」が入っているのだとか!
水ようかんに栗が入れられたり、色鮮やかにするなど、毎年年末には、たくさんの水羊羹が和菓子屋さんなどに並ぶそうですよ。
群馬県
群馬県では、「干し大根のなます」を入れるそうです。さっぱりとした味わいが、甘い味付が多いおせち料理のお口直しともなっていいですね♩
埼玉県
埼玉県では、有数の生産地といわれてる「くわい」がおせち料理に入れられています。”大きな芽”が出ることから「めでたい」と言われ、縁起物として重宝されています。
千葉県
千葉県は「はぜの甘露煮」。はぜは、成長が早く、動きも早いことから「早く目標を達成させる」という意味が、縁起が良いとされる理由なのだとか!
神奈川県
神奈川県は、「きんぴらごぼう」です。誰からも愛されるピリ辛きんぴらごぼうを食べれば、お正月から食欲が増して健康的な一年が過ごせそうですね♩
東京都
東京都のおせち料理の特長として挙げられる食材のひとつは「伊達巻」だそうです。
それも諸説あるようなので、伊達巻に限らず日本全国各地のよりすぐりの食材が東京に集合します。老舗が腕を磨きあっているのもあるかもしれませんね!
中部地方のおせち料理の特長
中部地方では、その地域ならではのご当地グルメがラインナップ。
関東地方出身の私は、初めて耳にした料理ばかりでした!
新潟県
新潟県では、「のっぺい汁」がお正月に欠かせない料理とされています。縁起と良いとされている根菜などが多く、一年の始まりにホッと心が温まりそうですね♩
石川県
石川県では、「べろべろ」。みなさん「べろべろ」とはご存知でしょうか?
べろべろとは、溶き卵を寒天で固めた料理のこと。和風だしやお醤油などで味付される、食感楽しい一品です。
富山県
富山県では「五箇山豆腐(ごかやまとうふ)」という伝統的なお豆腐を食べます。こちらの豆腐の特徴は、”固さ”。縄で縛っても崩れない身の締まり具合なのだとか!
長野県
長野県は「長芋ようかん」です。
その名の通り、長芋が入ったようかんのこと。長芋特有のサクッとした食感が特徴の、他にない長野県ならではの羊羹です♩
岐阜県
岐阜県では「焼きいわし」がおせちに入れられます。
焼きいわしは”年取りの魚”として、大晦日に食べることが習慣となっているそうです。
静岡県
静岡県は「ブダイの煮付」。ブダイは、海藻を好んでよく食べるそうで、冬場がとても美味しいのだとか。主に煮付けとして調理される静岡県の郷土料理なんです。
愛知県
愛知県は「鶏すき」です。名古屋といえば”コーチン鶏”が有名ですよね。そんな鶏肉をすき焼きにして食べるそうです!考えただけで美味しそうで食べたくなってしまいますね♩
近畿地方のおせち料理の特長
関西地方では、味付けとして、関東とは異なり、”薄口醤油”や”お出汁”のような味わいのものが好まれているそうです。
また、お正月に食べる魚は「鰤」だそうです。
滋賀県
滋賀県では「赤こんにゃく」がおせち料理に入ります。
赤こんにゃくは、なぜ「赤」がつくのかというと、食本添加物の「三二酸化鉄」というものが入っているからだそうです。もちろん体に悪影響はないので安心してくださいね。
彩りも良く、見た目が華やかになって良いですね♩
京都府
京都は、「棒鱈の煮物」。棒鱈は”今年も一年食べ物に困ることがありませんように”という意味が込められています。作るのに多少手間がかかってしまいますが、家族や親戚の縁担ぎのためにも新年に食べておきたいですね♩
兵庫県
兵庫県では「冷たい八宝菜」をお正月に食べるのだとか!
これは、お正月に火を使うことで神様を驚かさないように、作り置きしておくことから「冷たい八宝菜」を食べる習慣となったみたいですよ。
三重県
三重県は「煮なます」をおせち料理に入れるそう。
よく通常の「なます」は耳にしますが、こちらの煮なますは、火を通して作るのが特長です。
奈良県
奈良県では「柿なます」を食べます。柿なますとはご存知ですか?その名の通り、なますに柿または干し柿を加えて作る郷土料理なのだとか。
柿の甘みがプラスされ、通常のなますとは一味違った味わいを楽しめそうですよね♩
大阪府
大阪府では「にらみ鯛」をお正月に食べます。
にらみ鯛の”にらみ”の由来ですが、これは、作ってから3日間手を付けない(3日間にらむ)という意味からきたそうです。
にらむ理由としては、神様に食べていただくための期間としているためなのだとか。
和歌山県
和歌山県は、「ぼうり」。
みなさん、ぼうりはご存知ですか?ぼうりとは、”里芋の親を皮付きのまま丸ごと煮て、お雑煮のお餅の代わりとして食べる郷土料理”のことです。お出汁で数日間煮込んで作るお料理です。
中国地方のおせち料理の特長
鳥取県
鳥取県は「小豆汁の雑煮」をお正月に食べるそうです。鳥取県のお雑煮は、小豆の煮汁に軟らかく煮た丸餅を入れるスタイルです。
「それってお汁粉じゃないの?」と思った方もいると思いますが、鳥取県ではこれを”お雑煮”と呼ぶそうです!
島根県
島根県は「ワニのお刺身」。
みなさん、ワニとは”ワニ”のことではなく”サメ”のことなんです!そして、本当に新鮮なものでないとお刺身として食べることができないとのこと。
なかなか食べられるものではないので、鳥取に行った際はぜひ一度食べてみてくださいね♩
岡山県
岡山県では、「ママカリ」という魚を食べるそうです。
ママカリはニシン科の魚で、酢漬けやばら寿司などでよく食べられています。一部地域では、味がサッパリとしていることから「サッパ」と呼ばれているみたいですよ!
広島県
広島県といえば「牡蠣!!」という事で、お正月でも下記を食べる家庭があるそうですよ。
その中でも、「あずま」といって牡蠣をおからや魚と一緒に合わせて調理する料理もお祝いの席などでよく食べられるのだとか。お正月から様々な牡蠣料理が楽しめるなんて贅沢ですよね♩
山口県
山口県は「鰒(ふぐ)」。ふぐのお刺身やふぐ鍋など豪華なイメージですが、おめでたい年の始まりにはぴったりかもしれませんね♩
四国地方のおせち料理の特長
香川県
香川県では、おせちに直接入れるわけではありませんが、三が日に「あんもち雑煮」をおせちと一緒に食べるそうです。
ちなみに、あんもち雑煮とは”白味噌を使用した味噌汁に、大根、人参、丸餅を入れた郷土料理”のことです。
徳島県
徳島県では、「おでんぶ」をお正月などのお祝いごとに作る家庭が多いそうです。
おでんぶとは、”黒豆や金時豆を野菜と一緒に煮込んだ料理”のことです。
高知県
高知県では、「皿鉢料理(さわちりょうり)」をおめでたい席で食べます。
皿鉢料理は、大きなお皿に様々な料理をてんこ盛りに盛り付ける郷土料理のことです。新年に家族や親戚みんなでワイワイ仲良く食べるのが良いですね♩
愛媛県
愛媛県では、ご当地グルメとしても知られる「じゃこ天」をおせち料理に入れるそうです。愛媛県・宇和島の伝統的な料理とされているじゃこ天、新年のおめでたい日に食べるほど地元の方々に愛されてるという事ですね♩
九州地方・沖縄県のおせち料理の特長
それでは、最後に「九州地方・沖縄県」のおせち料理についてご紹介します!
長崎県
長崎県では、「鯨(くじら)」がお正月の料理に欠かせないのだとか。
鯨には、”鯨のように太く長く生きる”という意味が込められてるため、縁起が良いとされているそうですよ。
佐賀県
佐賀県では、「アラ料理」を食べるそうです。”アラ”とは”クエ”のことで、頭から尾まで捨てる部分がなく食べられるんです。お刺身やから揚げや揚げ物、鍋物にして食べるとのこと。
福岡県
福岡県では「鰤(ぶり)料理」。ぶりは”出世魚”なので、お祝いの席にはもってこいの魚です!様々な食べ方がありますが、照焼き、塩焼き、お刺身などで食べるそうです。
大分県
大分県では、「がめ煮」をお正月に作るそうです。
大分県に限らず、九州ではがめ煮を作る地域も多いのだとか。甘じょっぱく食欲をそそる煮物は、2~3日経っても味がしみ込んでより美味しくいただけるので、大量に作っても良いかもしれませんね♩
宮崎県
宮崎県では、お正月に旬を迎える「金柑」で作った「金柑の甘露煮」をおせち料理に入れて食べるそうです。金柑の甘くもさっぱりとした味わいに砂糖の甘みがプラスされ、一度食べると手が止まらなくなってしまうそうですよ♩
熊本県
大分県は、「辛子れんこん」をお正月に食べます。
辛子れんこんとは、ただ辛子とれんこんを合わせた料理ではなく、パン粉やおからを辛子や味噌、味醂などで甘じょっぱく味付けし衣を作り、それをれんこんの穴に詰めて油で揚げる料理です。シャキシャキ食感がクセになる一品です。
鹿児島県
鹿児島県は「こが焼」。こが焼とは、魚のすり身に卵、豆腐、砂糖などを混ぜて蒸し焼きにする、ケーキのような伊達巻のような一品。小さいお子様などにも喜ばれそうな料理です!
沖縄県
沖縄県では、「田芋田楽」をお正月に食べるそうです。
沖縄では様々な田芋料理がありますが、里芋同様の由来として、”子孫繁栄”を祈願して食べるそうです。田芋特有のとろりとした食感と甘みがたくさんの地元の方々に愛されています♩
それぞれのおせち料理の違いはお分かりいただけでしょうか。地域によってこんなにも違いがあるとは、正直驚きでした……!
祝い肴も関東・関西で異なる!?
みなさん、おせち料理の”祝い肴”が、関東・関西で異なるのはご存知でしたか?知らなかった方もいらっしゃると思いますので、ぜひこの機会にチェックしてみてください♩
関東地方の”祝い肴三種”
- 田作
- 数の子
- 黒豆
関西地方の”祝い肴三種”
- たたきごぼう
- 数の子
- 黒豆
おせち料理の定番の品目については、詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください!
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/7/
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/925/
全国共通のおせち料理は?
「それでは全国共通のおせち料理はないの?」
と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。結論から申し上げると、、、ありません!!
ほとんどの地域で食べられているおせち料理はいくつかありますが、必ずしも食べられていると言い切れるものはないんです。
なので、多くの地域で食べられているおせち料理をご紹介します。その食材とは、以下の三つです。
- 蒲鉾
- 黒豆
- 数の子
こちらの食材は、比較的におせち料理に入れられていることが多いです。
お雑煮にも地域による違いがある
関東のお雑煮
醤油味
お餅の形……角餅
関西のお雑煮
白味噌味
お餅の形……丸餅
詳しくはこちらの記事もご参照くださいませ!
https://www.osechiya.aussie-fan.co.jp/osechi/osechi-imi/290/
あとがき
住んでいる地域によってこんなにもおせち料理の内容が異なるんですね……!正直びっくりです!
しかし、その地域によっての特産品などもあるため、地域によって様々なおせち料理のあり方があるというのも素敵ですよね♩
新年の始まりにおせち料理を食べている方も多いと思いますが、時には他の地域のおせち料理に触れてみるのもいいかもしれませんね!
本日もおせちやブログをお読みいただきありがとうございます!
今後ともおせちの気になる話題をわかりやすく解説します。どうぞよろしくお願いいたします。
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